眠りのプロショップSawada 快眠寝具研究室

第9回グリーン購入大賞の大賞を受賞しました

寝具のグリーン購入を1998年より実施

株式会社沢田商店(眠りのプロショップSawada)はグリーン購入ネットワークが主催する第9回のグリーン購入大賞の大賞(中小企業部門)を受賞しました。
もともと寝具には「木綿ふとんを打直して再利用する」というリユースの文化がありましたが、昨今は品質の低い、しかも粗大ゴミにしかできない寝具が増えています。現在東京都の粗大ゴミのナンバーワンはふとんで年間60万枚といわれています(平成18年度)。残念ながら、寝具にはリサイクルの技術が確立はされていないのが現状です。
そこで、リサイクルという視点でなく、レデュース、すなわち長く使ってゴミを出さないという視点と、打直しや羽毛ふとんのリフォームなど、素材を再利用するという視点、そして ゴミとなった場合でも生分解する・あるいは分別できるという視点から、1998年から「寝具のグリーン購入」を全国的に先駆けて取り組み始めました。

環境先進国であるヨーロッパでは早くから環境に負荷をかけない商品が数多く開発されています。それを参考にしながら、良質の天然素材で長く使っていただくことをモットーに品揃えをしています。

  グリーン購入のPR誌(PDF)
  グリーン購入最終審査で使用したプレゼンテーション(PDF)


寝具のグリーン購入のためのガイド

これは眠りのプロショップSawadaが独自に定めたものです。

1.長期使用に耐えられるかどうか?
寝具はリサイクルの技術が十分に確立されていないので、長く使って買い換えを少なくする(Reduce)を第一に考えます。長期間の使用に耐えうる良質の素材を選ぶことが重要ですが、長く使うためには日常のメンテナンスも大切です。

2.再利用可能かどうか?
再資源化(Recycle)ではなく、まず素材を再利用(Reuse)できるかどうかをチェックします。現状では、和とじ仕立てのもめん綿ふとんだと、側も中わたも再利用できるので最も評価が高くなります。羽毛ふとんも再利用可能です。ウレタン素材は再資源化が可能です。

3.分別可能かどうか?
将来の再資源化技術の確立を見越して、その時に素材の分別が容易かどうかをチェックします。多く出回っている木綿わたとポリエステル、羊毛とポリエステルなどの混綿は分別が非常に難しくなり、同一素材100%の方が分別が容易になります。

4.生分解するかどうか?
破棄する場合でも、天然素材100%であるなら最終的には土に還ります。

5.環境に負荷の少ない素材を使っているかどうか?
オーガニックコットン(無農薬有機栽培綿)や、製造過程でゴミを出さないリヨセル、グリーン証書電力を使った工場で製造されたタオル、エコテックス100規格に適合した素材などがあります。

全ての基本:良質な天然素材を長く使う
これらのグリーン購入ガイドから、眠りのプロショップSawadaがおすすめするのは、良質の天然素材を長く使う、ということです。天然素材なら生分解可能ですし、良質の素材は良い環境で生まれたものです。また、快眠の条件である温度33℃湿度50%を快適に保つには自然素材が適していますし、良い素材はアレルギーの心配も少ないのです。ポリエステルやアクリルなどの合成繊維は最小限にして、お使いいただくことをおすすめします。


Run君と眠り博士Sawada氏のエコ談義

Run 「Sawadaさん、こんにちは〜。」
Sawada 「こんにちは、今日はどうしたの」
Run 「今度引っ越すんですよ、それで、ふとんも新しくしようと思って」
Sawada 「Run君、今までどんなふとんを使っていたの?」
Run 「一人暮らしをはじめるときに、母が『だめになったらまた買いなおせばいいよね』とかいって、なんか適当なものを買ってくれたんですよ。どうも羊毛ふとんみたいなんだけど、すぐにへたっちゃった。まだ3年ぐらいしか使っていないのに・・・。Sawadaさん、羊毛ふとんって打直しとかできないの?ここに持ってきたんだけど」
Sawada 「どれどれ、う〜ん、3年で使い捨てはもったいんだけどなぁ、でも・・・」
Run 「でも?」
Sawada 「今、巷にはこういうふとんが沢山出回っているんだけどね、残念ながら、打直しはできないんだ。もめんの綿なら打直しできるよ。」
Run 「最近はリサイクルとかよく言うじゃない、ふとんはだめなの?」
Sawada 「現在のところ、リフォームが可能なのはもめん綿と羽毛ふとんだけなんだね。リサイクルはまだ技術が確立されていないんだ。」
Run 「じゃあ、新しいの買うから、これ引き取って」
Sawada 「う〜ん、しようがないね。でもね、本当は処分料がいるの。だから、今度買うのはちゃんと環境のこと考えてみてよ」
Run 「どうすればいいの?」
Sawada 「環境のことを考えて品物を買うことを『グリーン購入』というんだ。例えば、コピーの紙に再生紙を使ったり、省エネの電気器具を使ったり、CO2が少ないものとか、フロンを使っていないとかね。この考え方の基本には「4R」というものがあるんだ」
Run 「4R? 何のこと?」
Sawada 「Refuseは拒否という意味、すなわち、買わない、作らない、捨てないということ。それから Reduceは減量、できるだけ少量、最小限にするということ。次のRはReuse再利用ということ、そして最後がRecycleで再資源化ということなんだ。」
Run 「なんだ、ReuseとRecycleは違うんだ。」
Sawada 「そう、打直してまたふとんとして使うのが再利用。再資源化は原料のレベルの話といえるね。ただ、環境問題というと、すぐにReuseとかRecycleの話になるんだけど、本当に大切なのは、何度も買い換えないこと、要するに長く使うということなんだね」
Run 「じゃあ、ふとんを買わずにこのぺちゃんこのふとんを使えと・・・」
Sawada 「だから、3年ぐらいでだめになるような中途半端なものを買わずに、良いものを長く使って欲しいの。羽毛ふとんなんか、質のいいものの中身は50年ぐらい使えるんだよ」
Run 「ひえ〜50年」
Sawada 「まあ、側はそこまで持たないから、10年ぐらいでリフォームをしていけばいいんだ。でも質のいいやつじゃないとだめだよ」
Run 「でも、あんまり長く使うとSawadaさん、商売上がったりじゃない?」
Sawada 「確かにそうなんだけど、いままでのような大量販売・大量破棄は、どう考えてもこれからの時代には考え直していかなければならないでしょ。そのうちに、どこを見渡してもゴミの山になっちゃうよ」」
Run 「理屈はわかるけど、先立つものがねぇ・・・」
Sawada 「もちろん、予算あっての買い物だからね。でもこれからは、これが粗大ゴミになるか、ReuseやRecycleができるかということを考えて欲しいんだよ。」
Run 「でも、どこを見たら判るの?そんな情報ないよ」
Sawada 「そうだね、基本的には天然素材100%のものを選ぶと良いと思うよ。天然素材なら最後は土に還るからね。でも、天然素材は良し悪しを見分けるのが非常に難しい。牛ミンチの偽装事件があったけど、特にふとんは中に入ってしまっているから、ごまかしがしやすいんだね。」
Run 「そうなんだ。だから安心できるお店を探せっていう訳なのか。ところで、最近はもめんわたの布団より羽毛布団が多いじゃない。羽毛布団は仕立て替えできるの?」
Sawada 「その質問待ってました。(店の奥へ行く・・・)これが、新しく導入したドイツ・ロルヒ社の羽毛リフレッシュマシーン。新しくといってもドイツの工場にあった再利用品だけどね。」
Run 「わっ!すごい機械!これで羽毛布団のリフォームができるんだ」
Sawada 「そう、羽毛布団から羽毛を取り出してきれいに洗い、ゴミ取りをすると新品のように生まれ変わるんだね。リフレッシュされた羽毛を新しい側に吹き込めば、新品同様に生まれ変わる。羽毛布団は普及率が100%近くなってしまったから、これからはリフォームすることが大切なんだね。そのためにも、リフォームに耐える良質の素材を選ぶことが大切なんだ。」
Run 「話は変わるけど、ベッドのマットレスも買い換えたいんだけど、グリーン購入できるのかな?」
Sawada 「金属スプリングを使ったマットレスはリサイクルがしにくいからねぇ。環境先進地のヨーロッパでは展示会に行ってもスプリングのマットレスは見ないものね。」
Run 「じゃあ、どんなマットレスがいいの?」
Sawada 「ラテックスといって天然ゴムを発泡させたものが一番かな?長持ちするし、紫外線に当てると分解を始めるので捨てるときは楽だし、天然素材のくせに抗菌性は抜群、なによりカラダを正しく体圧分散して支えてくれるので快眠に良いしね。グリーン購入の申し子みたいだな。2階にあるから試してごらん」
Run 「うわぁ、気持ち良い。グリーン購入と快眠って両立するんだね。」
Sawada 「もちろん。」

エコ談義番外編「打直しってエコ?」

Run 「ねぇ、打直しってエコだよね」
Sawada 「もちろん、そうだよ」
Run 「でもSawadaさん、あまりPRしていないよね。グリーン購入を訴えるなら、もっと打直しをPRするべきじゃないの?」
Sawada 「していないつもりはないんだけどなぁ。もともと私は製綿屋で、打直しを生業としてきたからね。ただ、現状では手放しでエコロジーだといえない部分があるんだ。」
Run 「それはなに?」
Sawada 「日大医学部の内山教授によると睡眠障害による損失、事故や能率低下などが一年間に3兆5千億円にのぼるそうだ。6兆円と云う人もいる。それぐらい、快眠できないことによる社会損失が大きいんだね」
Run 「それと、打直しがどう関係するの?」
Sawada 「打直しは環境のためには良いけれども、打直しした布団はどうしても性能が落ちてしまう。綿の汚れが取れないからね。快眠という視点、特に敷ふとんで正しい寝姿勢の保持と体圧分散を行おうとすると、打直しの布団では限界があるのも事実なんだ。布団を打直して座布団を作るのなら大賛成だけどね。」
Run 「ふむふむ」
Sawada 「睡眠の質を向上させることによって、事故が少なくなったり能率が上がったりすればエネルギー効率は上がって、環境への負荷が少なくなるよね。快眠を実現する環境を得ることは生活の質(Quality of Life)を向上させることだし、ある意味でそれはグリーン購入だといえるだろうね。ただ、そのための敷ふとんやマットレスの重要性に多くの人がまだ気付いていない。打直しをするときは、良い機会だから、そのことも考えて欲しいんだね。だから単純に『はい、打直し』といえない訳さ。」
Run 「なるほど、これは奥が深いや」