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「眠りは文化であり、店は思想を体現する場である」 というと大げさかもしれません。1983年に3年間の修行期間を終えて長浜に帰ってきました。当時はまだまだ高度成長期、斜陽化する長浜のオールドタウン・中心市街地でしたが、よくモノが売れた時代でした。 Onesownという新しいライフスタイルショップへの挑戦ちょうどその頃、取引先の勉強会に参加することになりました。名前は市場創造研究会。講師は今では有名になってしまいましたが、当時はまだ駆け出しの小坂裕司先生。でも先生のお話は非常に面白く、「どうやってモノを売るのか」という視点ではなく、「なぜそこでモノやコトを買おうとするのか」というお客さま視点でした。従来の寝具店のお客さまは中高齢の女性がほとんどで、若いお客さんは来てくれません。新しい局面を作らなければ、という思いから、従来の寝具店とはまったく違う視点でのライフスタイルショップOnesownへの転向を進めました。1997年のことです。 寝具店の本質は眠りを提供することにある雑貨を多く取りそろえた新店舗は大きな注目を浴び、若いお客さまも増えました。一方で、寝具をどのように考えていけばいいのか、従来の寝具の延長には答えがありません。いろいろと勉強したり取組む中で、「睡眠」というものをちゃんと勉強し、「眠り」を提供する店になろうと決心しました。そこから、睡眠や睡眠環境の勉強、毎年のヨーロッパ展示会への買い付け、オリジナル商品の開発などから今日のスタイルがあります。まだまだ不十分なところが多いのですが、日本で唯一無二の店をめざして、なお道の途中であります。
沢田昌宏(さわだまさひろ)プロフィール1958年 長浜市生まれ まちづくり運動への参加いろいろと副業で長浜のまちづくりにかかわっています。
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