眠りのプロショップSawada 快眠寝具研究室

睡眠と睡眠環境のプロをめざして

ふとん屋なのにふとんを知らない、眠りを知らない。実は私たちもかつてはそうでした。今思い返すと、なんという横着なことをしていたのでしょうか。ふとんを寝るための道具ではなく、眠るための道具として考えるならば、睡眠に対しての知識無くしてはお客さまにお話しすらできないのです。

2001年 日本睡眠環境学会で睡眠環境コーディネーター資格を獲得

1997年、今までの「良くある寝具店」から、店内を全面リニューアルしOne'sOwnさわだとして、雑貨やインテリアも含めたライフスタイルショップとして展開を始めた時に、同時に、いままでの寝具のあり方に疑問を持ち始めました。当時は木綿ふとんや座布団は自家製であったものの
、羽毛ふとんや羊毛ふとんは西川に代表される寝具卸から仕入れて販売する、ということに疑いを持たなかったのです。「ふとんを売る」「売上を上げる」という考え方はあっても、「眠りを売る」という発想は皆無でした。

睡眠のメカニズムの勉強を始める

「眠りを売るt」という発想がなかったのも当然のこと、当時はふとん屋はもちろんのこと、卸でも睡眠のメカニズムに対して正確な情報を提供することは皆無でした。せいぜいレム睡眠・ノンレム睡眠がサイクルするという程度でしょうか。そこで、眠りのメカニズムについて勉強をし始めました。また、寝具の吸湿性や発散性についても、正しい知識を持っていたとはとても言えない状況です。

そんな時に、日本睡眠環境学会の当時会長だった横浜国立大学の川島先生に出会うきっかけがあり、睡眠や寝具の基本性能に関する座学や横浜国大での実験演習など4日間のカリキュラムを学んで「睡眠環境コーディネーター」の資格を得ました(2-04号)
日本睡眠学会がお医者さまを中心として睡眠医学を扱っているのに対し、日本睡眠環境学会は睡眠だけでなく、寝具や部屋などの温湿度設計など睡眠の環境設計など、どちらかといえば工学部系統の研究が中心です。


睡眠環境研究の現状と課題

理想的な寝床内温湿度が温度33℃湿度50%であるとうことは早くから云われていました。この状態では湿度の調節が重要です。睡眠環境講座においては、吸湿性などの実験を行います。ここで理解できたのは、JISの吸湿性能は何時間も放置しておいた時の性能、いわゆる静的な性能に過ぎないということでした。へたりテストにしても、JISやLGAのテストは1/2まで基の素材を8万回変形させることを行うという方法ですが、実際の使用状況に近い湿度を加えながら圧迫を加えるという状況とは違う状態での性能です。
睡眠環境に関しては、現在足利工業大学が睡眠科学センターを設けて研究を行っている先端でもありますが、睡眠障害に対応する研究や、寝具性能の動的な性能試験、使用時の官能評価など取り組みが始まっているものもありますが、まだまだこれからというのが現状に思われます。というのも、仮に睡眠と睡眠環境の関係の試験を行おうとすると、要素(変数)が多すぎて、それに対して実効的な試験を行おうとすると膨大なテストが必要であるという点も考えられます。


滋賀医科大学睡眠学講座 宮崎先生との出会い−睡眠指導士上級取得

日本で最初に生れた睡眠を総合的に扱う滋賀医科大学睡眠学講座

一方医学の分野では睡眠は「21世紀に残された最後の謎」といわれるぐらい、まだまだ未解明の部分も多いようです。そんな中で地元の滋賀医科大学に睡眠を総合的に扱う講座として睡眠学講座が設置されたと云うことを友人の先生からお聞きしました。いままでは精神医学や耳鼻科や呼吸器などさまざまな分野にまたがっていたものを統合して扱うようになったものです。2006年2月に滋賀医科大学睡眠学講座が開催した「眠りの森報告会」に参加して、睡眠学講座特任教授の宮崎先生とお会いすることができました。先生からいろいろとお話しをお聞きすると共に、私どもの店にもお越しいただきました。
また社長の私自身がSASの疑いがあるということで、滋賀医大サテライトの京都田中睡眠クリニックで、睡眠ポリグラフテストを受けました。

それから、宮崎先生のもとで勉強を始め、睡眠指導士の初級から〜中級〜そして難関と云われる上級を取得しました。前述したように睡眠医学も現在新しい発見がされていて、いままで正しいと思われていたことが、必ずしもそうはいえない、といった事例も見つかっています。そのような最新の情報に出会えるのが睡眠指導士です。


睡眠医学の現状と課題

睡眠医学の場合、多くは睡眠障害を抱えた患者さんの解決について臨床的にどうするか、ということと、睡眠のメカニズムはどうなっているかという純粋な睡眠医学の情報は非常に多いので役立ちます。一方、予防医学としての取り組みは、生活習慣や運動、食事などについては取組まれているものの、睡眠環境については光の問題以外はほとんど取組まれていません。睡眠医学の先生方は失礼ながら、寝具や睡眠環境(温湿度)に関する情報をほとんどお持ちでない、というのが現状と言えるでしょう。


睡眠医学と睡眠環境学の連携=快眠カウンセリング+快眠フィッティング

睡眠医学と睡眠環境学の連携がこれから必要になってくる

その意味から、最新の睡眠医学を駆使しながらも、睡眠の解決や、予防医学として睡眠の質を高めるための処方、すなわち睡眠環境学との連携がひつようになってくると思われます。しかしながら、睡眠医学の中で確立するためには、処方(例えば、この様な睡眠障害にはこのような寝具や睡眠環境をする等)に対する明確なエビデンスが必要であり、上記に述べたように、変数があまりに多すぎることから、解決にはまだまだ時間がかかるように思われます。


私たちができること、お客さまの状態をカウンセリングして睡眠の情報を得てもらい、実際にお試しいただきながら相性の良い寝具をお選びいただくこと

資格を持っているとはいえ、睡眠医学としてはアマチュアの私たちにできることは何なのか、それは理論の確立というより、よりお客さまの状態を理解しながら、お客さまが気持ち良く使っていただく寝具をフィッティングすることだと考えました。
それが、快眠カウンセリングと快眠フィッティングサービスなのです。





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