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1997年、今までの「良くある寝具店」から、店内を全面リニューアルしOne'sOwnさわだとして、雑貨やインテリアも含めたライフスタイルショップとして展開を始めた時に、同時に、いままでの寝具のあり方に疑問を持ち始めました。当時は木綿ふとんや座布団は自家製であったものの 睡眠のメカニズムの勉強を始める「眠りを売るt」という発想がなかったのも当然のこと、当時はふとん屋はもちろんのこと、卸でも睡眠のメカニズムに対して正確な情報を提供することは皆無でした。せいぜいレム睡眠・ノンレム睡眠がサイクルするという程度でしょうか。そこで、眠りのメカニズムについて勉強をし始めました。また、寝具の吸湿性や発散性についても、正しい知識を持っていたとはとても言えない状況です。 睡眠環境研究の現状と課題理想的な寝床内温湿度が温度33℃湿度50%であるとうことは早くから云われていました。この状態では湿度の調節が重要です。睡眠環境講座においては、吸湿性などの実験を行います。ここで理解できたのは、JISの吸湿性能は何時間も放置しておいた時の性能、いわゆる静的な性能に過ぎないということでした。へたりテストにしても、JISやLGAのテストは1/2まで基の素材を8万回変形させることを行うという方法ですが、実際の使用状況に近い湿度を加えながら圧迫を加えるという状況とは違う状態での性能です。
日本で最初に生れた睡眠を総合的に扱う滋賀医科大学睡眠学講座一方医学の分野では睡眠は「21世紀に残された最後の謎」といわれるぐらい、まだまだ未解明の部分も多いようです。そんな中で地元の滋賀医科大学に睡眠を総合的に扱う講座として睡眠学講座が設置されたと云うことを友人の先生からお聞きしました。いままでは精神医学や耳鼻科や呼吸器などさまざまな分野にまたがっていたものを統合して扱うようになったものです。2006年2月に滋賀医科大学睡眠学講座が開催した「眠りの森報告会」に参加して、睡眠学講座特任教授の宮崎先生とお会いすることができました。先生からいろいろとお話しをお聞きすると共に、私どもの店にもお越しいただきました。 睡眠医学の現状と課題睡眠医学の場合、多くは睡眠障害を抱えた患者さんの解決について臨床的にどうするか、ということと、睡眠のメカニズムはどうなっているかという純粋な睡眠医学の情報は非常に多いので役立ちます。一方、予防医学としての取り組みは、生活習慣や運動、食事などについては取組まれているものの、睡眠環境については光の問題以外はほとんど取組まれていません。睡眠医学の先生方は失礼ながら、寝具や睡眠環境(温湿度)に関する情報をほとんどお持ちでない、というのが現状と言えるでしょう。
睡眠医学と睡眠環境学の連携がこれから必要になってくるその意味から、最新の睡眠医学を駆使しながらも、睡眠の解決や、予防医学として睡眠の質を高めるための処方、すなわち睡眠環境学との連携がひつようになってくると思われます。しかしながら、睡眠医学の中で確立するためには、処方(例えば、この様な睡眠障害にはこのような寝具や睡眠環境をする等)に対する明確なエビデンスが必要であり、上記に述べたように、変数があまりに多すぎることから、解決にはまだまだ時間がかかるように思われます。 私たちができること、お客さまの状態をカウンセリングして睡眠の情報を得てもらい、実際にお試しいただきながら相性の良い寝具をお選びいただくこと
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