人はなぜ眠らなければならないのか?

良い睡眠リズムのグラフ

 

眠りには2種類の眠りがあるのをご存知ですか?

1.「“疲れたから眠る”= 恒常性維持機構」

2.「“夜になると眠くなる” =生体時計機構」

睡眠はこの2 つの機構によって、状況に応じて相互にリンクしながら

睡眠のタイミングと量および眠りの質をコントロールしています。

恒常性維持機構は、生活で酷使された身体や脳を積極的に休める機構。睡眠物質の蓄積が引き金となり、睡眠中枢の働きが眠りをもたらします。

生体時計機構は、その日の疲れに関わりなく、いつもの時刻になると眠くなるという機構。これは日光や電球などの光の信号が、視交叉上核という時計の働きをする器官に伝えられ、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が増大します。この働きにより眠りに導きます。

眠りの機構

 

日中眠くなるのは睡眠不足が原因ではありません

次のグラフを見てください。

24時間の眠気リズム

これは、30年以上前の眠気のリズムの調査結果をグラフにしたものです。これによると、日中の眠気のピークタイムは午後2時~4時。一日の中で12 時間周期の眠気のリズムのピークが、一般的な昼食後にあることがわかります。また、夜間も午前2 時~ 4 時に眠気のピークがあり、これは24時間周期での睡眠リズムのピークにあります。

と言うことは、日中眠くなる時間帯があることは、ごく自然なことなのです。その時間帯以外に眠気がある人は、逆に要注意です。睡眠の質、量、リズムなどを改善する必要があるでしょう。

夜間勤務をする人はAM2~4時に要注意!!

スウェーデンにおけるガス工事作業者による作業ミスは、発生時刻を調査すると午前2 時台に最も多く発生し、日中では午後2時台に多いことが報告されています(1995年報告)。チェルノブイリ原発(1986年)や関越自動車道の夜行バスの事故など大きな事故も午前2~4時台に発生していることが多いのです。これらの時刻は、眠気のリズムのピークとほぼ対応しています。

まとめ

眠りには疲れに伴う眠りのシステム”恒常性維持機構”と、時間の経過で眠くなる”生体時計機構”の2種類がある。

この為、午前と午後の2~4時には、眠りのリズムのピークがあり、一般的な生活サイクルであれば、大なり小なり昼食後の2~4時には眠くなるのは自然なこと。

しかしながら、日中に眠気の強い人は、日頃からの睡眠不足が考えられます。夜間における睡眠不足では、生活習慣を見直す必要があるでしょう。午後からの眠気を回避し、高いパフォーマンスを維持するには昼寝を午後3 時までに15~30分程度とることがおすすめです。

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