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快眠のための寝具 - 掛ふとんの選び方

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お読みください「羽毛布団の選び方」

掛ふとんの性能−保温性+吸湿発散性+軽さ

掛ふとん選びで大切なことは3つ「保温性」「吸湿発散性」「軽さ」といえます。

保温性は全ての寝具の基本ともいえる性能です。最も断熱性の良い素材は空気ですから、空気を多く含む嵩のあるふっくらした掛ふとんほど保温性は高いといえます。保温性に関係するのがフィット性です。いくら嵩があっても、体に添いが悪いと温まった空気が逃げてしまいます。寝返りの際に浮いてしまう布団も同様です。

吸湿発散性は、現代の寝室環境から言えば非常に重要な性能といえます。昨今の家は気密性・断熱性に優れているため、暖かいものの換気が不十分で湿気がこもりやすくなっています。眠りのしくみの欄で述べたように、一番多くの成長ホルモンが分泌される最初のノンレム睡眠には多量の発汗がありますので、その急激な湿度変化に対応できる性能が必要です。

「軽さ」は人によって捕らえ方がさまざまでしょう。「ずっしりしていないと眠れない」という話もよくあります。しかしながら、体と健康ののことを考えれば、軽い布団のほうが体への負担は少なくおすすめなのです。

素材による特性の違い

現在掛ふとんに使われる素材には、さまざまな種類がありますが、それぞれに特徴があります。ただ、上記の性能に加え、耐久性、リフォームの可能性などを総合した場合の理想的な素材は羽毛ふとんといえるでしょう。

羽毛(ダウン)

水鳥の羽毛を使ったふとんです。ニワトリなどの陸鳥は羽軸が中空でないので使いません。羽毛(ダウン)と小羽根(スモールフェザー)からなり、ダウン90%スモールフェザー10%のように表示されます。一般にはダウン率が50%以上を羽毛ふとんと呼び、50%未満は羽根ふとんと呼びます。羽毛は天然のエアコンといわれるように温度や湿度を理想的にコントロールしてくれます。軽くて弾力性に富み、耐久性が良く、長期間使った羽毛でもリフレッシュすることにより新たにした手直しが可能なので、グリーン購入の3R対応し環境にもやさしい布団といえます。
しかしながら、品質の違いが非常に大きい素材であるために価格差も安いものは1万円から、最高級品のアイダーダックを使ったものは200万円ぐらいまで大きな開きがあり、その基準があまり明確でないが故に、ごまかしが多いのも羽毛ふとんの特徴です。
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木綿(コットン)

かつてはもっともポピュラーに使われていたわたの素材ですが、発散性と軽さという点から羽毛布団に主役の座をゆずりました。吸湿性に優れ、布団を干すとふっくらと嵩が戻るのはなんともいえない木綿わたの長所です。ただ、羽毛や羊毛などの動物性素材と違い、木綿は吸湿性は抜群ですが、干さないと中の湿気が逃げて行きません。少なくとも一週間に一回は干していただくことをおすすめします。産地はいろいろありますが、掛ふとん用として一般的に使われるのはアメリカ・メキシコ産のアプランド綿で長繊維です。綿100%で作ると重くなってしまうので、ポリエステル繊維を20〜30%程度混綿します。敷ふとんには太くて短繊維のインド産デシ綿が向いています。弊店ではインド綿をベースにアプランドとポリエステルを少しずつ混ぜたものをおすすめしています。
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羊毛(ウール)

ウールは保温性・吸湿発散性に優れた素材です。しかしながら、ウールにはフェルト化するという傾向があり、嵩が出にくいため、掛ふとんと素材としてはメインで使われることは少なく、低級品でポリエステル繊維と混合されて使われています。通常のウールに使われることの多いダウン種は、繊維の太さが中ぐらいで、クリンプ(繊維のちぢれ)が強いので、どちらかというと敷用に向いています。掛用としては長繊維タイプのオーストラリアのメリノ種がおすすめです。良質なメリノウールは価格が羽毛よりこなれていて、ホコリが少ないのでベビーやジュニア用としておすすめです。
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真綿(シルク)

蚕をほどいて薄い真綿にし(近江真綿の場合は正方形)、それを手で引き伸ばして何百回も重ねて作るのが真綿ふとんです。真綿は糸切れがないので、かつては木綿わたがわた切れしないようにと巻き綿として使われました。保温性・吸湿発散性ともに絹の良さを味わうことが出来ます。特筆すべきはフィット性の良さで、肩口が開きにくく体に添ってくれます。欠点は繊維に絡みがないので、嵩がでないことです。そのために、掛ふとんとして使うのではなく、シングルで0.5〜1.0kgで肌掛けとして羽毛ふとんと組み合わせて使うのがベストでしょう。わたホコリがなく、皮膚に一番近い繊維なので、アトピーやアレルギー体質の方におすすめです。低級品ではシルクノイルとよばれる毛羽繊維を使ったものがありますので、似て非なるものです。要注意。
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麻(ラミー・リネン)

麻、特に苧麻とよばれるラミーは日本古来より夏に欠かせない素材として使われてきました。その特徴は熱伝導性が高く生地にシャリ感があるために冷感があって熱のこもりが少ない点にあります。逆に保温性は著しく劣るので冬向けではありません。近江縮は、麻を織り上げた後に絞って独特のしぼを作り出す日本の代表的な麻織物です。一方リネンは、亜麻とよばれ、主にヨーロッパを中心に使われてきました。ラミーに比べるとソフトで、独特の触感からファンが急増しています。
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ポリエステル

テイジンの商標からテトロンとも呼ばれ、戦後生まれの合成繊維の代表格です。軽くて、保温力があり安いためにポピュラーな素材となっています。さまざまな機能を持ったポリエステル繊維が次々と登場しており、インビスタ社のクロロフィル・ホロフィルなどもその代表格です。欠点は吸湿性が弱いこと。特に急激な湿度変化に弱く蒸れやすいのが問題です。一方ホコリが少なく丸洗いできるのでアトピー・アレルギー用として販売されることが多いのですが、ホコリの少なさというメリットと、蒸れから来る不快感や湿疹などのデメリットとを天秤にかけて選ぶことが必要です。さわだでは、自然素材を優先するために、重度のアレルギーの方やしまっておくことが多いお客様用寝具以外におすすめすることはありません。


使う人によって、中わたや生地、仕立てを選ぶ

いくら羽毛布団の吸湿発散性が良いと言っても生地や仕立て方によってずいぶんとその特性は変わってきます。通気度の悪い生地で中身を目一杯入れると、保温性は高まりますが、通気性ががた落ちになります。使う人が代謝量の多い若い男性なら、通気性を最優先して蒸れにくい布団に仕上げるべきですし、高齢者の女性に顕著なように冷え性で代謝量も少ない場合は保温性やフィット性を優先する必要があります。

ドイツのビラベック社の羊毛布団に使われているマコトリコット生地のように、通気性のある生地とそうでない生地では同じ中身を使ったとしても、ずいぶんの性格が違ってしまうからです。

例えば羽毛布団の場合、ブライダルなど若い人向けの製品は次のように考えています。まず、通気性の良い生地を使い、キルティングも多めにして通気性を十分に確保します。さらに次のリフォームまでの間に途中で丸洗いが可能なように、丸洗いにも対応した生地素材選びをするのです。

掛ふとんの環境負荷性能(グリーン購入基準)

さわだは地球温暖化防止と省資源のために、寝具のグリーン購入を推進しています。
環境負荷性能は「長期使用性」「再利用性」「生分解性」の3つの基準を中心に考えます。これらに加え「分別性」も考えます。

これらの中で最もバランスが良いのが「羽毛ふとん」です。良い原料はリフォームを繰り返して使えば50年以上可能ですし、綿など天然素材の側を使えば生分解性もあります。
木綿ふとんは打直しによる再利用性が高いのですが、綿の性能を維持できるのは20年程度。純綿わただけなら生分解性があります。ただ、木綿わたは布団としての性能を上げるためにポリエステルわたと混綿することがほとんどなので、その場合は焼却となります。
羊毛ふとんは、へたりが早く、キルティング仕上げのために再利用がしにくい、ポリエステルとの混綿が多いなど環境性能はあまり高くありません。
真綿ふとん(シルク)は、ある程度の長期使用性はあるものの、再利用はしにくく、洗いにくいという欠点があります。生分解性は高いといえます。

素材 長期使用性 再利用性 生分解性 分別性
羽毛(ダウン)
木綿(コットン)
羊毛(ウール)
真綿(シルク) ×
麻(ラミー・リネン) ×
ポリエステル × ×

再利用性・生分解性・分別性の△は、ポリエステル混の場合は×、単一素材の場合は○と評価
評価は睡眠環境コーディネーターによるもの

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