快眠のための寝具 - サイズの選び方
標準的な畳の大きさは3尺×6尺(約90×180cm)ですが、この大きさはどこから来たのでしょうか?これは一人がゆったり眠れる大きさといわれています。平安時代は木の床の上に畳を敷き、その上に夜着と呼ばれる掛ふとん(といっても着物です)を掛けて眠りました。畳が敷ふとんだったわけですね。
そこで、シングルサイズは3尺巾というわけです。ところが、鯨尺と呼ばれる反物の尺は約38cmあります。これを3つ横に繋ぐと縫い代等を取ると約105cmぐらいの巾になり、この布団側に中綿を入れて仕立てると仕上がりは約100cmという、現代のシングルサイズになるわけです。今でもふとん用のサテン生地は三巾のサテン(105cm巾)といいます。(だんだん死語と化しつつありますが・・・)
掛ふとんのサイズは一般的に流通しているサイズは
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掛ふとん |
ベッド(普通) |
和式(ロング) |
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シングル |
SL |
150×210 |
S |
100×200 |
SL |
100×210 |
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セミダブル |
SDL |
175×210 |
SD |
120×200 |
SDL |
120×210 |
掛は170cm巾有り |
ダブル |
DL |
190×210 |
D |
140×200 |
DL |
140×210 |
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ワイドダブル |
-- |
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WD |
154×200 |
WDL |
154×210 |
152cmも有り |
クイーン |
QL |
210×210 |
Q |
160×200 |
-- |
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掛は220cm巾有り
170cm巾のクイーン有り
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キング |
KL |
230×210 |
K |
180×200 |
-- |
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ジュニア |
JR |
135×185 |
JR |
85×185 |
-- |
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メーカーでばらつき有り |
肌ふとん |
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140×190 |
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サイズは巾×長さ(cm)です。掛ふとんの長ささはかつては200cmが標準サイズでしたが、現在では210cmのロングサイズが実際の標準サイズとなっています。なおセミダブルサイズには170cm巾が、クイーンサイズは220cm巾が同じサイズ表記で流通していますので、ちょっとやっかいです。私どもは、将来的なカバーの互換性を考えて、日本で最も影響力の強い西川産業のサイズに統一しています。
ベッドは国際的なスタンダードの大きさで、マットレスの実際の長さは195〜197cmぐらいであることが多いのです。マットレスの巾はメーカーによって110cm巾や130cm巾などのサイズを作っているところもありますが、ベッドパッドやシーツはほとんど流通していないので、あまり手を出すべきではないと思います。
一方、和式の敷ふとんについては一般的にはロングサイズが事実上の標準サイズですが、ベッド兼用のマットレスなどは200cmです。
カバーサイズに要注意
なお、カバーについては要注意です。掛ふとんの場合は、あまり問題にならないのですが、固わたなどを入れた敷ふとんでは問題が山積しています。というのも
・敷ふとんの表示サイズ
・敷ふとんのシルエットサイズ
・敷ふとん厚みを加えた実サイズ
・カバーの表示サイズ
・カバーの内側実仕上りサイズ
・選択後収縮したカバーの実サイズ
これらが、各社まちまちで洗濯後のトラブルになる事が少なくありません。例えば西川(東京)の場合、敷ふとんの表示が210cmなら、厚みを除いたシルエットサイズで210cmに仕上がっています。そうすると5cmぐらいの厚みを持った敷ふとんの場合215cmの長さが必要になってきます。
一方、一般的な敷ふとんカバーは長さ表示が215cmになっています。その表示通り仕上がっていれば良いのですが、そうとは限りません。昨今はコストにしばられるメーカーが多いので、実際に表側仕上りサイズで215cmに満たないカバーも多く見かけます。また、表側が215cmに仕上がっていても、押さえミシンなどが入っていると、ふとんを入れる内側のサイズは213cmぐらいしかないこともしばしばです。
よしんば、ちゃんと215cmに仕上がっていたとして、厚みを入れて215cmある敷ふとんを入れたらぎりぎりで余裕がありません。ところが・・・カバーは洗濯するもの。そして洗濯をするとほとんどのカバーは縮むのです。日清紡のスーパーソフトのような形態安定タイプでも1%ぐらいは縮みます。一般的なカバーは3%ぐらいの縮むのが一般的です。215cmの3%といえば・・・6cmも縮む事になります。となれば、洗濯後のカバーはかからなくなるのです。
このようなトラブルをできるだけ避けるために、眠りのプロショップSawadaのオリジナル敷ふとんはシルエットサイズで205cmに仕上げています。
二人で使うのならダブルよりクイーンサイズを
いままでは、二人で使う場合はダブルサイズというのが一般的でした。しかし、シングル150cm巾に対して、ダブルで190cm巾はいかにも狭すぎます。敷ふとんもシングル100cm巾に対してダブル140cmは決してゆったり眠れるスペースとはいえません。そこで+20cmの余裕を持つべくクイーンサイズをおすすめしています。(掛210cm巾、敷160cm巾)。ダブルの敷やマットレスの場合でも、掛ふとんはクイーンサイズにすることによって、二人でふとんを取り合うことは少なくなります。
ただ、一般的にはまだまだクイーンサイズの掛ふとんは多くありません。メーカーサイドが別注対応になっていることが多く、西川の場合シングルの価格を1とすると、ダブルは1.5倍、クイーンは1.8〜2倍となっています(西川産業2008カタログP122〜126参照)。カバーもほぼ2倍の価格です。眠りのプロショップSawadaのオリジナル寝具ではクイーンサイズは定番サイズなので、価格もシングルの1.5〜1.6倍。一般のダブルの価格でお求めいただけます。
ベッドの場合上の表にもあるように、ワイドダブル(154cm、152cm)がありますが、マットレスは1本になっているのがほとんどです。ダブルも同様ですが、マットレスが1本だと、寝返りなどの振動が相手に伝わってしまいます。そこで、80cmのマットレスを2本並べたクイーンサイズ(160cm)がおすすめなのです。マットレスのローテーションや引っ越し、移動する場合でも、154cmのマットレスを扱うより、80cmのマットレスを扱う方がはるかに楽なのです。
ベッドの場合はフレームと掛ふとんで工夫
最近は身長180cmを超える方も珍しくなくなりました。となると寝具の長さが問題になってきます。意外な事に大柄な人が多いドイツでも、ベッドのマットレスは日本とほぼ同じ普通サイズがほとんどで、ロングサイズはあまりありません。掛ふとんも標準サイズは135×200cm、もしくは155×200cmで、特に大柄な方用に155×220cmが作られているだけです。220cmのロングサイズもあまり出回っていないようで、寝具売り場でもあまり見かけません。日本の掛ふとんの標準が150×210cmですから、ほとんど場合は十分なわけですね。190cmクラスの方だと、さすがに210cmの掛ふとんはきついので、230cmの長さの超ロングサイズを用意しましょう。
ベッドの場合、フットボードが足にふれない(上に出っ張っていない)フレームをおすすめします。長身の方は足にフレームが触るのが気になるようです。一部のメーカーではロングサイズのベッドもありますが、まだまだ種類が少なく、金属フリーのマットレスではさらに選択肢が限られます。(ボディドクター、ジェルトロン、整圧敷ふとん3つ折が対応可能) ベッドパットやシーツも別注になる場合がほとんどですので、190cmを超えなければ、通常サイズで掛ふとんと毛布で工夫した方がいいでしょう。
和式の敷ふとんは超ロングサイズで
和式の場合は230cmの超ロングサイズを念頭に考えた方がいいのですが、この場合でも敷ふとんが弱点です。というのも多くの敷ふとんでは200〜205cmという規格の固わたを使用しているので、230cmの敷ふとんを作るのが難しいのです。
そこで、このような場合は整圧敷ふとんの別注もしくは木綿の敷ふとん(堅めのインド綿がおすすめ)の上に、羊毛敷ふとんを組み合わせることをおすすめします。
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