快眠のための寝具 - 敷ふとんの選び方
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敷ふとんは背骨のS字カーブを正しく支えて、体圧分散をして、汗をちゃんと吸って放出しながら、下からの冷えをふせぐという掛ふとん以上に重要な役割がありますが、あまり顧みられることがありません。
敷ふとんに必要な機能と収納を考えると二枚敷
畳の部屋で使う場合、冷えは下からダイレクトに伝わってきます。この冷えを防ぎ、なおかつ体圧分散やS字カーブの保持をするためには、敷ふとんを2枚敷くことが重要です。というのも、1枚でこれらを満足させる機能の敷ふとんを作るとあまりに重すぎて、寝具の上げ下ろしが出来なくなるためです。
毎日7時間×?0kg×365日×?年=耐久性
もう一つ重要なのは耐久性です。体の全体重を毎日7〜8時間支え続ける敷ふとんには、非常なストレスがかかります。従って、敷ふとんのへたりはどのようなものでも避けられませんが、使ってすぐにぺちゃんこになってしまう敷ふとんでは困ります。できるだけ耐久性に優れて、長期間品質が維持できる良質のものを選ぶことが大切です。
女性は比較的に横向寝をされる傾向がありますが、横向け寝の場合は肩幅〜腰幅まで凹凸が大きく、通常の敷ふとんでは肩の圧迫を十分に吸収できないことが多いのですが、ベッドのマットレスのように十分な厚さは取れません。軽量でありながら、十分なストローク性のある素材選びが必要となります。
腰痛はやっかいです。一人ひとり症状が違いますので、必ずしも硬いばかりがいいわけではありません。硬すぎる敷ふとんは、体圧を支える部分だけに力がかかりますので、体にとっては負担が大きくなります。かといって、体圧分散が良い低反発ウレタンは腰痛にとって良い悪いの評価がかなり極端に割れているようです。
体の背骨の曲線を測って、オリジナル敷ふとんを作るというのもありますが、実のところ明快なエビデンス(証明)が出ているものはない、というのが実情のようです。実際にお試しいただいて、フィッティングをするのが現状では一番ではないでしょうか
最近は畳の部屋が少なくなって、フローリングで敷ふとんを使うケースも少なくありません。この場合何が問題でしょうか?
湿気をいかにして逃がすか
最近の畳は本来のものとは通気性でかなり問題がありますが、フローリングは床に直接張られていることが多く、湿気の逃げ場がありません。敷っぱなしでカビが生えてしまったということがしばしば起こります。これを回避するには唯一つ、毎日上げ下ろしをして、寝具の風通しをすることに尽きます。念のために、吸湿シートを併用されることをおすすめします。
弾力性を確保する
もう一つの問題は、畳に比べると弾力性がないということです。お客様からもフローリングで腰が痛いという方が少なからずいらっしゃいますが、特に横寝をされる方は1枚敷ではきついでしょう。フローリングの場合は必ず2枚敷を心がけてください。一週間に一度程度のふとん上げをされる方なら、通気性や発散性を考えると、2枚敷+ウッドスプリングがおすすめです。
敷ふとんは多く使われる素材は木綿わた、羊毛、ポリエステルですが、組み合わせのバリエーションは掛ふとん以上にやっかいです。ここでは現在販売されている代表的な組み合わせを紹介します。
木綿わた
掛ふとんのところで説明したように、もっともポピュラーに使われています。しかしながら新品時と使用2週間後のへたりの差が一番多いのも木綿わたの特徴です。木綿わたの敷ふとんは掛ふとんとほぼ同じか少し高い価格で販売されることが多いのですが、実際には掛ふとんの倍近い綿の量が必要です。ということは掛ふとんと同程度の品質の綿を使った敷ふとんをつくると、価格は掛ふとんの1.5倍ぐらい必要になってしまうのです。そのため、木綿わたの敷ふとんに使われているのは低品質のわたであることが多いために、注意が必要です。
固わた入り羊毛混敷ふとん
現在最も多く流通しているのがこのタイプの敷ふとんです。ポリエステルわたを圧縮した固わたを中心に、羊毛とポリエステルわたを混綿したものをサンドイッチしたものです。本来は、二枚敷の下の役割の布団で、上に敷く羊毛100%の敷パッドと組み合わせるのが正しい使用法なのですが、いつのまにか単体で販売されるようになってしまいました。特に近年は低価格化が激しく、悪貨は良貨を駆逐するとばかりに、固わたといえない固わたを使い、羊毛といえない羊毛混わたを使った低級品が世の中を席巻しています。
中の固わたもプロファイル加工のウレタン入りや特殊な固わたなど数多くのバリエーションが見られ、最近ではゲルマ入り、備長炭入り、などさまざまな付加価値を競っていますが根本は同じものと考えるのが妥当でしょう。
固わた入りポリエステル敷ふとん
インビスタ社のホロフィル等の高機能ポリエステルを使い、アレルギーがない、洗えるなど、羊毛混敷より上位として位置づけられて販売されていますが、所詮は同じ穴のムジナ。敷ふとんのくせに吸湿性がまったくないために、木綿または羊毛敷ふとんと組み合わせることが必要です。ホコリがだめな人はこれでいいかも。
羊毛敷ふとん
羊毛100%のわたを使った敷ふとんで、30数年前にドイツのビラベック社の羊毛敷ふとんが輸入され、それをコピーすることから日本の羊毛布団の歴史は始まったのです。いわば正統的な敷ふとんで、ダウン種などに代表される繊維が中太でクリンプ(ちぢれ)が多いウールを使用します。ただ、ウールは熱と水分(汗)と圧力(体重)をかけるとフェルト化するという欠点があるために、1枚だけではその機能を満足させることは出来ません。しっかりしたマットレスもしくは固わた敷ふとんと組み合わせて使うことをおすすめします。
整圧ふとん・ムアツふとん(とその亜流)
表面が凹凸加工されたウレタンマットレスで、点で支えるために体圧分散性に優れています。ロングセラーは昭和西川が開発したムアツふとんで、その特許切れに伴い、整圧ふとん・快圧ふとんなどさまざまなバリエーションが生まれています。ただ、表面はウレタンのために吸湿性や保温性には難点がありますので、羊毛敷ふとんや羊毛ベッドパッドと組み合わせて使うほうが、、より快適です。
温熱電位敷ふとん
敷ふとんに遠赤外線ヒーターとマイナス電位の発生装置をつけたいわゆる「健康敷ふとん」で多くが厚生労働省の温熱療法・電位両方として家庭用医療器具の認証を受けています。遠赤外線ヒーターは一般の電気毛布に比べると熱の浸透にすぐれ、毛細血管の血行を良くする働きがあります。そのために冷え性対策としても有効です。また電位療法は最近の言葉で言えば「サラサラ血に」が該当しますが、マイナス電位をあたえる事で、酸性体質を弱アルカリ体質に変えて活性酸素を減らす働きがあります。結果として、頭痛や便秘などが良くなったなどの事例がありますが、基本的には体質改善と考えればいいでしょう。過度の期待は禁物です。京都西川のローズテクニーが草分け的存在で、いろいろな業態で販売されているために価格もさまざまですが、15〜20万円ぐらいが目安です。
ムアツふとんインナーバランス
どうしてもベッドは難しい方に、ウッドスプリング
高齢の方でベッドにしたいけれども、寝室の関係でどうしてもベッドは置けないという方がいらっしゃいます。収納を考えて折り畳み式のベッドにされることがありますが、二つ折りタイプのベッドは一番大切な腰の上下がちゃんと支えられずにずれやすいので、どちらかといえば使わないのが賢明です。おすすめしたいのはヒュスラーネストのウッドスプリング。体をしっかり支えながら、ソフトで、しかも通気性が良く、いざというときの収納にも便利です
さわだは地球温暖化防止と省資源のために、寝具のグリーン購入を推進しています。
環境負荷性能は「長期使用性」「再利用性」「生分解性」の3つの基準を中心に考えます。これらに加え「分別性」も考えます。
体重がずっとかかる敷ふとんは、耐久性能が素材の質によって大きく変わりますので、単純にこの素材だったらこれ、という評価はしにくいので、下の表はあくまで参考程度にお願いします。木綿わたでも、落綿中心の質の悪い木綿は早くへたりますが、良質の木綿は持ちが良いし再利用性も高いのです。
素材
|
長期使用性
|
再利用性
|
生分解性
|
分別性
|
羊毛100%(ウール)
|
○
|
○
|
◎
|
○
|
羊毛混固わた入
|
△
|
×
|
△
|
×
|
木綿(コットン)
|
○
|
◎
|
△
|
△
|
ウレタン
|
○
|
○リサイクル可
|
×
|
○
|
ポリエステル
|
△
|
×
|
×
|
△
|
温熱電位等複合素材
|
○
|
×
|
×
|
×
|
再利用性・生分解性・分別性の△は、ポリエステル混の場合は×、単一素材の場合は○と評価
評価は睡眠環境コーディネーターによるもの
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