極上の羽毛 カウフマン社のメッセスペシャル
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それは衝撃ともいえる出会いだった
もう10数年前のこと、「どこかに本当に良い羽毛ってないでしょうか?」 とあるヨーロッパから寝具を輸入している小さな商社の人に聞いたら、カウフマン社を紹介してました。サンプルを見てびっくりしました。当時のポメラニアングースのサンプルが今も残っています。ダウンボールの大きさ、絡み合いの強さ、どれをとってもいままで見たダウンとは格別のものでした。
しかし、価格も格別。当時はユーロ導入前で1DM(ドイツマルク)が60円ぐらいだったと思いますが、それでも、その当時の最高級であるホワイトグースダウンより倍以上高かったのです。(その後、ユーロ導入+ユーロ高が続き、現在では3倍近い価格になっています)
従って、羽毛ふとんにした時の販売価格も従来のものより倍以上高いものになってしまいました。当初は最高級品として、ほそぼそと販売していたのです。
「やはり、本場に行って現状を見てみなければ・・・」
そうして、1月にフランクフルトで開催されるヨーロッパ最大の寝具インテリア見本市であるハイムテキスタイル見本市へ向かったのです。
1月早々のヨーロッパは高緯度のために、4時ともなれば暗くなってしまいます。展示会場というと日本では東京ビッグサイトが有名ですが、ヨーロッパの展示会場はとにかく広い。そこで出会ったのが、カウフマン社のメッセスペシャル羽毛でした。
1月の展示会には、前年の秋に採れた良質な羽毛が展示されます。非常に良い羽毛だけれども、採れる量に限りがある。そんな羽毛は「メッセ・スペシャル」ということで、展示会の限られたお客だけに販売されます。量は少ないと100kg、多くても500kgぐらいしかありませんし、毎年産出量も変動があり、同じように入手することが難しい羽毛もいろいろあります。ただ、はっきりしているのはカウフマン社の高級品の顔ともいえる、極めて良質な羽毛だということです。
100kgということは、1枚1kg入れるとして100枚分しかないということです。あの世界最高級の羽毛であるアイスランド・アイダーダックが年間2000kg程度からしても、まだ少量です。・・・ということは大手のメーカーは決して手を出さない分野です。大手だとカタログ作ったり販促企画をやったりする以上は最低でも1000枚分は必要だからです。ところが私のような中小小売店なら、年間必要なのは20〜50kgぐらい。これならぴったりです。
メッセスペシャルはほとんどが、手選別で絡みの非常に強いステッキータイプのダウンです。逆に言えば、そのような手間がかかり、保温性が高い良質の羽毛だからこそ、数百sしか採れないのでしょう。
ただ、今後はますます厳しい状況になってくることが予想されます。鳥インフルエンザは良い羽毛を取る条件である、屋外飼育を難しくしています。ポーランドやハンガリーはユーロ加入により、飼料価格やプラッキング手間賃などが高騰しています。基本的に経済が発展してくると、物価が上がり、のんびり行っていた個人農場が少なくなって統合化が行われ、大規模農場は規模拡大をめざして大量飼育型へ転換することが多いために、個人農場でじっくりと飼育することが難しくなるためです。
眠りのプロショップSawadaは毎年1月にドイツへ行って、その年の良質のダウンを見分けて仕入を行っています。
ロシア・ヴァルダイ 手選別ステッキーホワイトグース ダウン95%(VLST95)
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2001年に出会った羽毛です。アイダーダウンを除けば、おそらく最高級グレードになる羽毛で、残念ながら現在では入手できません。ロシアのモスクワとサンクトペテルブルグのほぼ中間に位置する、ヴォルガ河の源流地域であるヴァルダイ渓谷で産出されます。寒暖の差が厳しく、小規模農家が多いので、ダウンボールの状態は極めて良質です。
完売いたしました。
ほぼ同グレードの アークティックステッキーダウンが500gほど残っています。
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ポーランド・ベスト・オブ・ポメラニアン 手選別ステッキーホワイトグース ダウン95%(BPST95)
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ポーランド産としては最上級グレード。
ポーランドにはポメラニアとマズールという2大産地がありますが、ポメラニアのジャイアントグースから採られる絡みの強いダウンで、その中でも最も良質なものを選別しています。残念ながら、10数年前のポメラニアンほどの強さはありませんが、かさ高は20.8pとトップクラスの原料です。
非常にダウンボールが大きく良質な羽毛です。
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ポーランド・ポメラニアン 手選別ステッキーホワイトグース ダウン95%(PMST95)
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ポーランド産としては最上級グレード。ポーランドにはポメラニアとマズールという2大産地がありますが、ポメラニアのジャイアントグースから採られる絡みの強いダウンです。
在庫は残り10s
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ロシア・ブランブラン 手選別ステッキーシルバーグース ダウン95%(BRST95)
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これだけがホワイトグースではなく、シルバーグース。もともと羽毛の品質に色の差は全くありません。ただ、市場ではホワイトグースの方が高く売れるために、農家もホワイト種を中心に飼育しています。逆に言うと、このシルバーグースは羽毛の品質としては、場合によってはポメラニアンを凌駕しますが、色がシルバーグレーということで、非常にコストパフォーマンスの高い羽毛になっています。店主おすすめの逸品です
完売 当分手に入りません
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ポーランド・スーパーマズーリアン ホワイトグース ダウン95%(PMZ95)
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今年2009年に入手したポーランド・マズール地方の1農家だけで得られた、最高級グレードのホワイトグースダウンです。今までのメッセスペシャルのようなステッキータイプではありませんが、抜群のダウンボールは嵩高もハンパではありません。
わずか20kgを確保するのがやっとでした。
完売 当分手に入りません
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ドイツ・ホルスタイン ホワイトグース ダウン93%(HLS93)
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今年2011年に入手したブランブラングースに変わる、ドイツ・ホルスタイン地方のホワイトグースダウンです。カウフマン社らしいホコリの非常に少ない良質なホワイトグースダウンです。
残り原料5kg程度 追加できる見込みはありません。
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これらの羽毛は数量限定のために、ホームページに載っていても残量が非常に少ないものもありますので、実際の在庫についてはお問い合わせ下さい
2001年10月といえば、例のツインタワーのテロの後。「本当に行くの?」といわれながら、一路ヨーロッパへ。カウフマン社の工場はドイツ・スイス・オーストリアの国境にある琵琶湖とほぼ同じぐらいのボーデン湖畔にああります。チロル地方と呼ばれる風光明媚で非常に美しいところですね。工場のあるオーストリアのブレゲンツには、チューリッヒから電車で1時間半というところです。前年にできたばかりの新工場を訪れました。
迎えていただいたのは、カウフマン社社長のジークフリード・ボーラー氏(当時) 世界羽毛協会の会長もなさっている実力者です。とにかく美しい、素晴らしいとしか形容のしようがない景色をバックに、美しい工場がそこにありました。
羽毛工場の基本はどこも似たり寄ったりです。原料置き場−羽毛洗浄・乾燥工程−選別工程−除塵工程と続きます。機械はL.H.Lorch社製で定番中の定番メーカーです。
原料にニオイがない
原料置き場に案内された感じたのが、ニオイが少ないということでした。訳を聞いて納得。ヨーロッパで採取され、コンテナに詰められて1〜2ヶ月かかって日本へ着くのに比べると、採取から工場までのスピードが速いわけです。しかも、この後ハンガリーの農場を見て納得できましたが、良い羽毛は汚れの少ない良い環境で育てられているので、もともと羽毛に着いている汚れが少ないのです。
徹底した除塵工程
洗浄・乾燥された羽毛はソーターと呼ばれる大きなチェンバー(箱)からなる選別機に通されます。原理は羽毛を空気で送ると、軽いダウンが高く舞い上がり、重いフェザーは舞い上がらず沈むとことを利用して、ダウンとフェザーを分別するのです。この工程は何回も繰り返されて、最終的に適度にミックスされて出荷する羽毛となります。
他の工場に比べて特徴的なのは、分別工程の途中で何度も除塵がおこなわれるということです。それがために、カウフマン社のダウンはホコリが少ないのです。
できるだけ羽毛を痛めない充填工程
印象的だったのはアイダーダウンの充填工程です。アイダーダウンは絡みが極めて強いために、通常の吹き込み機を使うとダウンを痛めてしまいます。そこでカウフマン社が行っているのが手入れです。
アイダーダウンは1マス分ずつ軽量されて、円筒形の中に入ります。これを使って、一マスずつ手によって羽毛を入れていくのです。手間はかかりますが、完璧を期すカウフマン社らしいやり方です
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