そこで、羽毛ふとんを自家製造しようということで導入したのがR&Rシステムでした。最初はあまりよくわかりませんでしたが、羽毛の原料を調べていくうちにだんだんと羽毛の質の違い、その見分け方がだんだんとわかるようになってきたのです。
2006年12月 店舗設置としては日本で2番目 リフレッシュの洗いは完璧に羽毛ふとんのリフォームはR&Rシステムによって行っていました。これは、スチーム&除塵によって、羽毛を蘇らすというものです。当初はリフォームもそれほど多くなかったのでこれでも十分だったのです。ところが、羽毛ふとんの普及率が高くなるにつれリフォームの需要が増えてきました。リフォームの中には、かなり汚れが強いものもあり、これについては、羽毛ふとんを事前に丸洗いすることで対応をしてきましたが、ふとんごと洗うのでは汚れ取りが十分ではありません。
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より完璧なリフォームと羽毛製造を求めて新マシン導入 |
Lorchのマシンによる羽毛直洗いは日本羽毛協会の羽毛リフォームの工程でも一番レベルの高いプレミアムダウンウォッシュに相当しますので、これでも十分すぎるぐらいなのですが、個人的にはダウンファイバーの除去がいまひとつ不満で、もう少しダウンファイバーなどのゴミを減らせないものかと考えていました。一番最初に導入したR&Rシステムも、計量機が壊れてしまい、充填は勘でいれるという状態になってきました。もちろん今まで3,500枚以上作っていますので、ほとんど職人芸のような技でちゃんと充填ができていたのですが、いつまでもそんなわけに行きません。
そこで、Lorchのマシンの減価償却が2/3済んだ今年、新たに羽毛の充填機+除塵機を入れることを計画いたしました。
リフレッシュした羽毛のゴミをさらに徹底的に取り除く羽毛除塵機+そして1g単位の計量でより細かな充填を可能にした二槽式充填機です。さらに充填機の吹き込み口にはサイクロン機を取り付けました。
サイクロンは円筒形の中で渦巻きを発生させ、羽毛に含まれる比較的重いゴミを取り除く仕組みです。十分に洗浄した新品の羽毛でも、実際には破損した小羽根などが含まれますが、サイクロンによってこれらを取り除くことができます。
その反面サイクロン渦を発生させながらマスに充填を行っていくために、充填速度は倍以上かかってしまいます。非常に悩ましい選択でしたが、効率よりホコリを取ることにしました。なぜなら、一般の工場では作業効率が下がるために、このようなシステムで充填することはできないからです。店頭で一枚一枚丁寧に仕立てを行うという、私どものポリシーからすれば、工場のように毎日何十枚も製造するわけではありませんので、たとえ効率が少々下がっても、眠りのプロショップSawadaの店頭でないとできない羽毛のリフォームを実現しようということに決めたのです。
充填機には3つの計量機があります。全体の重量を計る計量機A、交互にマスに入れるために用意された2つの槽の計量機BとC。2つの槽は一方が充填を行っている間に、もう一方の槽は次のマスの充填分を計量します。設定は1g単位ですが、実際にはプラスマイナス1g+αぐらいの誤差が出てしまいます。
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各マスにどれぐらいの量を充填していくかは、パソコンによって計算します。一般の工場だと標準的な4×5で20マスの場合、均等に充填します。例えば1300gの場合は各マス65gです。眠りのプロショップSawadaは、もう少し細かく調整します。というのも、まず襟元はへたりやすいですし、保温力を高めるには中央部を厚めにしておいた方がいいからです。
ですから、同じ条件だと襟元は68g、身体の中央部66g、両サイドは62gといったように、充填量を変えながら仕上げて行くのです。これも自家製だから手間をかけて行うことができるのです。
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サイクロンの下にはゴミが溜まります |
実際にサイクロンを動かしてみると、リフォームの羽毛はもちろんのこと、新品の羽毛でも結構ゴミが取れることに驚かされます。
最後はミシンで吹き込み口を止めて出来上がり!