オリジナル麻寝具は店頭及び通販:楽天市場店(麻売場)でお求めいただけます。
ちぢみの夏ふとんと云われながら、麻はほとんど使われてこなかったという事実
近江上布・近江縮みとして知られる滋賀県・湖東地方の麻織物。ところが、高度成長期において大量に安く作るために本来の麻100%の製品は稀になり、綿やポリノジック素材が中心となって、それに麻を混紡するというスタイルで、ちぢみの夏座布団や夏掛ふとんが広く使われるようになりました。1983(昭和58)年に私(店主)が店に帰ってきた頃は、ドンスを中心とした婚礼寝具が巾をきかせていましたが、本麻を使っているのは本練正絹という、正絹でも最高級クラスだけでした。当時のイメージは本麻=超高級だったのです。
また、生地が本麻でも中わたも麻が使われることはなく、木綿わた(米綿)がでした。
伝統的な麻を見直す−生地も中わたも麻100%夏涼しい麻を、夏の寝具として見直そうとされてきたのは今から15年前くらいでしょうか? 皮肉なことに、地場産業としての麻織物が凋落し、多くの加工場が閉鎖された頃です。側生地も中わたも麻100%の寝具が増えてきました。
一級品は小千谷縮、そして近江縮。ただ、掛ふとんで40,000円〜80,000円クラス。短い夏の寝具としては、気楽にという価格ではありません。その一方で、中国産で掛も敷も15,000円程度の手軽なものが出始めました。
問題は3つ、重い・洗えない・カバーが要る当時の麻ふとんの中わた重量は1.0〜1.2kg程度。麻わた以上に側が重いという欠点がありました。ポピュラーな麻番手30〜40では、生地そのものが軽くないのです。敷はともかく、夏さらっと涼しいをめざす掛ふとんには致命的。
リネンのカバーも散見されるようになりましたが、夏使うには重く、掛の場合は60番手クラスの細番手でないとという状態です。
さらに、ほとんどの麻ふとんは丸洗いができませんでした。当然カバーをかけて使うことになりますが、綿のカバーでは生地も中わたも麻にした意味がありません。かといってカバーも麻にすると、ますます重くなるというジレンマを抱えたのです。
本麻敷パッド「しとね」とリネン生地を使ったパシーマ・サニセーフ敷パッドそんな頃に紹介があって、扱い始めたのがイワタさんの「しとね」でした。本麻の近江縮みの生地を使い、中わたも麻わたをニードルパンチで仕上げたもの。すでに「通販生活」で取扱いされていたこともあり、安心して販売できる商品でした。
一方、ガーゼと脱脂綿を使った、吸湿性抜群のパシーマを取扱い始めたのもその頃。吸湿性の良さと、さらっとした使い心地で我が家ではタオルケットの出番が無くなってしまいました。パシーマの敷パットであるサニセーフも同時に使い始めたのですが、こちらは熱がこもる感じが強いという問題を抱えていました。少しまざっているポリプロピレンが影響するのか、吸湿性は良いものの、夏は快適ではありません。同じことを考える人は他にもいて、片面をリネン麻にしたサニセーフが作られましたが、価格が17,850円と当時のサニセーフ7,350円より1万円アップ・・・ちょっとなんでもなぁ・・・という価格設定です。
自分で納得するものを作れば良いじゃないか・・・から始まった本麻クールシリーズ
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プロトタイプの本麻クール敷パッドの誕生
そんな時に、知り合いから「麻50%綿50%の生地が余っているんだけど、なんとかできない?」という話があり、それなら麻わたを入れたオリジナル敷パッドを作ってみようと取り組んだのが2005年のこと。
最初の敷パッドは、出来は悪くなかったのですが、キルティングを10cm角にしていましたために、丸洗いしたときに偏ってしまうのではないかという指摘をうけました。実際に7年間使ってみたところ、偏りがひどくて使えないというレベルではなかったのですが、安心して洗うことができるというのも大きなテーマです。
地元の麻生地メーカーの協力で本麻クール敷パッドが本格始動
翌年は、まず表面を麻100%にすること、キルティングを半分の5cm角にして洗濯耐性を上げることを目標に、地元の麻生地メーカーを訪ねました。選んだのは生成のリネン生地25番手という太番手のしっかりした生地です。
その翌年にはリネンをカラー展開することと、新たに近江縮みの生地を使って展開することにし、本格的に軌道にのって行きました。2010年からは、従来の片面麻から、両面麻に変更。これにより両面使えることと、さらに涼しさがアップすることになったのです。
作るからには極めたい−オリジナルの近江縮み生地を製作
このようにリネン麻(亜麻)だけでなくラミー麻(苧麻)、さらには近江縮みとバリエーションを増やしていきましたが、基本的な方向性は2つしかありません。
1.使う人の好みによって生地を選べるようにする
2.その生地の範疇の中でベストのものを目指す
近江縮みはシャリ感と涼感が抜群で、これがベストと思いましたが、残念なことに出来合いの近江縮みの生地は60番手、それ以上の生地しかありませんでした。掛ふとん用なら軽いのでそれでもいいのですが、敷ふとん用はもの足りません。40番手クラスの近江縮みがベストなんですが、オリジナルで織るしかないのです。
迷いましたが、「妥協はしない」というポリシーを貫き、2012年はオリジナルの近江縮みの生地を織ることにしました。ブルーとベージュで各200m。正直3年分といったところでしょうか。
一方のリネンは2011年バージョンは、国産のリネン生地(広幅ではめずらしい)を両面使いにして、好評を得ました。2012年は、もう少し厚手の生地でカラーバリエーションを増やしたかったので、オリジナルのビラベック羊毛敷ふとんに使っているリネン生地を織ってもらっている、リトアニア・シウラス社に25番手でシャンブレー織の生地をオーダー。この会社は最低ロットが160m。しかも縦に白だと、横糸を替えることができるので、40m×4色なんて注文も可能です。今回は80m×6色でオーダー。他にはない華やかなパステルカラーで仕上がりました。生地も厚手なので、2011年の40番手より涼感がアップしています。
2012年の決定版
最高級近江縮みオリジナル生地使用 両面ラミー
本麻クール敷パッドTyoe-21 シングル21,800円
シングルサイズのみ 楽天の通販ページ
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リトアニアシウラス社で織ったカラフルなオリジナル生地
本麻クール敷パッドType-20 シングル17,800円
セミダブル22,800円 ダブル25,800円
楽天の通販ページ
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本麻クール枕パッドType21近江縮み 3,980円
楽天の通販ページ
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本麻クール枕パッドType20リトアニアリネン 2,980円
両面仕様です
楽天の通販ページ
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オリジナル麻寝具は店頭及び通販:楽天市場店(麻売場)でお求めいただけます。
丸洗いできる、軽くてさらっとした麻100%の掛ふとんもできるはず
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丸洗いできる軽量の麻わたを開発した滋賀麻工業さん敷をオリジナルで作ることができるのなら、掛もできるのではないか・・・と考えていたら、地元の麻生地メーカー滋賀麻工業さんが軽量で丸洗いできる麻わたを開発していました。渡りに船とばかりに、60/80という軽量ラミーの近江縮み生地を使って生まれたのが本麻クール掛ふとん。
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