寝れないときには寝酒がおすすめ!
そんなわけはありません。
毎日飲酒する人は、お酒を飲むとぐっすり眠れている気がするだけです。
実は、お酒を飲んで寝ると、それは意識を失っている状態と変わりません。
通常の睡眠では、ノンレム睡眠中に交感神経系の活動が低下して、相対して副交感神経系の活動が優位になります。
この時、体の活動が緩やかに落ち着き、体温や代謝が低下して身体が休まるのです。
しかしながら、お酒を飲んで眠ったときは、ノンレム睡眠が浅くなるので、
いくら深く眠っている気がしても交感神経系の活動が低下せず、
自律神経系が活動してしまうので、脳や体の機能回復は期待できないのです。
さらに、就寝直前までの飲酒は、アルコールには利尿作用があるため、
眠りが浅くなったり、夜中にトイレに目が覚めて、睡眠が中断されてしまうことも。
それでも、お酒を飲みたいというひとは、就寝2時間前までに飲酒を終えることを心掛けることが大切です。
アルコールには興奮と覚醒作用があるので、中途半端な時間では逆に目がさえてしまうこともあります。
飲酒したら、しっかり時間を取ってから眠りにつくことが、飲酒しても良い眠りに付ける最低条件です。
睡眠のゴールデンタイムは夜22時~深夜2時?
結論から言うと、
睡眠のゴールデンタイムは時刻ではありません。では、なぜ睡眠のゴールデンタイムという言葉が生まれたのでしょうか?
実は、深い睡眠=レム睡眠からノンレム睡眠の最初のサイクル中に、最も多く分泌される成長ホルモンによって、肌の皮膚組織の再生(ターンオーバー)が促進されるのですが、この成長ホルモンの分泌の一番多い時間を指して“お肌のゴールデンタイム”と表現したひとが都市伝説の生みの親のようです。
しかしながら、あくまでも最初のサイクルで最も多く分泌され、
尚且つ良い深い睡眠が取れると多く分泌されることがわかっています。
ですので、深い睡眠をとることが重要なのであって、睡眠に入る時間帯のことではないのです。
もちろん、人間の体には概日リズム(サーカディアンリズム)があるので、極端に早かったり遅かったりすると良くないかもしれませんが、夜22時~深夜2時の間絶対に寝ていなければならないということはありません。
むしろ、睡眠の質をいかに向上させるかの方が大切と言えるでしょう。
では、どうしてこの睡眠神話が広まったのでしょうか?
おそらく、一昔前の22時台の就寝が一般的だった頃にその言葉が流行ったんだと考えられます。
でも、今の日本人の平均就寝時間は0時を超えているので、現代の暮らしには合わないのです。
遮光カーテンで月明りを遮ることは眠りを悪くします。
できる限り暗いほうが眠れると思っている方いませんか?
実は遮光カーテンで光をさえぎったり、部屋を真っ暗にすることは眠りにとって良くありません。
どこに何がある。住み慣れた部屋でも、光がなければ不安になります。
DNAに刻まれた記憶が暗闇に恐怖心を感じるなんてことを言われた先生もいらっしゃいましたが、
確かに光の全くない部屋は不安に感じますよね。
また、朝の光は起床にとても大切です。
朝の光がだんだんとまぶたを通して目に入ることで、身体は起きる時間が来るぞと認識し、起きる準備をします。
これが光を遮られた状態だと、いつまでたっても体が起きる準備をしてくれなくなり、準備ができていない体はいきなり起こされるわけですから、目覚めが良くなることはありません。
特に子どものときに遮光カーテンのある暗い部屋で寝起きすることは危険です。
体内時計のリズムが狂いやすくなり、集中力や学習意欲の低下につながる危険性があります。
窓のそばに明るい街灯でもなければ遮光カーテンをすることはおすすめできません。
もちろん生活のプライベートを守るために必要な場合もあると思います。
その場合は、電気を消したら遮光カーテンを開けて、朝日を遮らないようにすることが大切です。
まとめ
これまで信じられていた睡眠の都市伝説は、ゴールデンタイムのようにライフスタイルで変化するものもあれば、飲酒のような気分的なもの。ここに挙げていないものも、まだまだ沢山あります。
本当に困ったときは、専門家やお医者さんに相談するのが良いでしょう。
これをきっかけに自分の睡眠を見直してみてはいかがでしょうか?